別れさせ屋を装う詐欺に要注意
別れさせ屋業界の中には、別れさせ屋を装った詐欺グループも紛れ込んでいることが多々あります。にもかかわらず、その詐欺の手口がなかなか表に出てこないのは、「別れさせ屋を利用して旦那や妻と浮気相手を別れさせようとした」などということを世間に知られたくないという別れさせ屋の依頼者心理が原因となっています。
本来ならばオレオレ詐欺のように、警察が総力を挙げて国民に別れさせ屋を名乗る詐欺グループの手口の周知の徹底をするべきだと思います。
そうでなければ、どんどん巧妙になっていく別れさせ屋の詐欺グループの被害者は増え続け、別れさせ屋という業界自体にブラックなイメージがついてしまい、法律を遵守して営業している別れさせ屋にも悪影響を及ぼしてしまいます。
今回は、そんな詐欺被害に遭う人が一人でも減るように、別れさせ屋を名乗る詐欺グループの手口をいくつかご紹介します。
別れさせ屋の詐欺グループは、依頼者とターゲットの両方からお金をもらう
例えば、女性から、旦那と浮気相手を別れさせてほしいという依頼が別れさせ屋に来たとします。この時別れさせ屋を装う詐欺グループは、まずターゲットとなる依頼者の男性に接近します。
そして、「あなたの奥さんが、あなたの浮気に気づいていて、浮気相手と別れさせるように別れさせ屋である我々に依頼をしていますよ。」と持ち掛けます。そして、依頼者の夫に対して、「お金を支払ってもらえば、あなたの奥さんには、別れさせることに成功したと伝えておきますよ」と続けるのです。
その後この詐欺グループは、依頼者の旦那からお金をもらい、その後依頼者の女性に対しては、「無事、旦那さんと不倫相手を別れさせることができましたよ。」とウソの報告をするのです。こうすることでこの詐欺グループは、依頼者である女性と、その夫の両方から金銭を獲得することができるのです。
そして、別れさせ屋から交渉を持ちかけられた男性は、自分の妻に対して、不倫相手と別れたかのようなアピールをし、裏ではまだ関係を続けているのです。
また、こんな事例もあります。別れさせ屋を名乗る詐欺グループのもとに、「元カレと復縁したいから、元カレと元カレの今の彼女を別れさせてほしい」という依頼が来たとします。倫理観がしっかりしている別れさせ屋は、基本的に幸せなカップルを別れさせるような依頼は引き受けないものですが、詐欺グループは快く承諾します。
そして、先ほどの例と同様に、依頼者の元カレの男性のもとに接近して、「あなたの元カノさんが、あなたとあなたの今の恋人を別れさせて、あなたと元カノさんの復縁の協力をしてほしいと我々に依頼してきている」と告げ口します。そして、「あなたの元カノさんからいただく報酬の何割かを差し上げますので、一定期間だけ復縁したふりをしていただきたいのですが、、」と続けるのです。
こうして依頼者の元カレからの協力を得た別れさせ屋は、依頼者に対して、「あなたの元カレさんと現在の恋人を別れさせることに成功しました。もうじき、元カレさんからあなたのもとに連絡がいくと思いますよ。復縁したい想いが叶いましたよ」などと伝え、成功報酬をもらうのです。
その後詐欺グループから報酬の分け前をもらった元カレは、ほんの何週間だけ依頼者とよりを戻し、復縁した演技をし、またすぐに依頼者の女性の元から去っていくのです。
後者の事例では、依頼内容自体がモラルに反するものですが、どちらにせよこういった手口は、依頼者の気持ちを利用してお金を稼ぐ最低の行為です。
別れさせ屋の詐欺グループは、架空の請求書を使う
別れさせ屋に払うお金は、基本の依頼料+必要経費+成功報酬で構成されていることが多いです。この必要経費という項目の中には、ターゲットを尾行するための交通費代や工作員が使う各種の道具代、またLINEや電話をするための通信費代などが含まれています。
法律を遵守しているまっとうな別れさせ屋ならば、契約の段階で、書面を使って必要経費に掛かるおおよその金額をきちんと事前に説明します。
しかし、別れさせ屋を装った詐欺グループの場合は、「必要経費は実際に業務を進めてみないといくらかかるかわからないので、業務完了後に、まとめて請求いたします」などと言って具体的な金額の提示を濁します。
そして、交通費や各種機材の購入費などの架空の請求書を利用し、実際に使ってもいないお金まで、必要経費として依頼者に請求するのです。
いかにも詐欺グループが使いそうな手口ですが、別れさせ屋という仕事はまだまだ世間に認知されておらず、どれだけの金額を支払ったらよいのかの相場が分からないので、ついつい騙されて払ってしまう依頼者が多いのです。
詐欺に引っかからないためには、まず詐欺の手口を知ることが大切です。今回お話ししたような詐欺の手口が実際に存在しているということを理解していただければ、別れさせ屋への依頼に対してより慎重になることができるかと思います。